親不知から扇沢へ

「休みが1週間くらいあれば、長期縦走したいなあ」

登山者なら、一度は考えたことがあるのではないでしょうか?

しかし、現実にそんな長期の休みが取れる人は僅かです。

だからといって長期縦走を諦めたくはない、そんなあなたに朗報です。

装備を切り詰め、己を鍛えて挑めば、1週間必要な縦走も3日で終わらせることができるのです。

 

そう、トレイルランならね。

 

 

1日目 02:30 親不知登山口から登山開始

いつも通りのヘッドランプスタート。

遊歩道の階段を下りて海にタッチしてからスタート。Sea to summitごっこです。

登山道上に何かのフンが大量に落ちていたり、遠くから威嚇してくる動物の声が聞こえてきたり、色々怖いのでこちらも奇声を上げて応戦しました(熊鈴は軽量化という名目で置いてきましたが、持ってきた方がよかったかも・・・)

 

4:20ごろに白鳥避難小屋に到着。

 

栂海新道はアップダウンが多くてなかなか標高を稼げず、樹林帯の中を汗だくになって駆け上がります。

写真の中央やや左に小屋が立っているのが見えるでしょうか。あれが・・・

 

栂海山荘です。到着は7:10でした。

バケツにたまった水の中にオタマジャクシが数匹泳いでおり、それを眺めて和みながらの休憩となりました。

 

ここまでは通常7時間程度の行程ですが、実際の行動時間は5時間を切っています。登りなのでコースタイムの半分とは行きませんが、かなり順調です。強い人ならもっと早く行けるでしょうね。

 

栂海山荘のすぐ近くに立派な看板が。

 

黒岩山の少し手前から見た朝日岳方面です。豪雪地帯だけあって緑豊かですね。

 

この日も酷暑で大変でしたが、ところどころに水場があって癒されます。

 

 

 

すこし標高があがると湿原帯になりますが、雨がほとんど降っていないのか枯れている沼もありました。

 

・・・ここで私の持っていたカメラが故障してしまったため、以降写真はありません(泣)

 

簡単に行動内容だけご紹介いたします。

13:50 朝日小屋到着

 

本当は白馬まで行こうと思いましたが、睡眠不足で眠気が襲ってきたので初日は無理せず行動終了。

翌日が核心のため、まだ明るいですが早めに食事を済ませて17時頃には横になりました。

ちなみに栂海新道にある水場(シキ割、黄連、白鳥小屋近く、北又)は水量こそまちまちでしたが安定して水が確保できる状態でした。

 

2日目

1:00 朝日小屋 出発

3:30 白馬岳頂上

5:00 天狗山荘到着

7:00 不帰のキレットを超えて唐松岳頂上

8:50 五竜岳頂上 大休止

15:00 冷池山荘へ到着

 

夜明けと同時に天狗の大下りに突入予定だったので、逆算して0時起床1時行動開始としましたが、これがドンピシャ。天狗山荘でヘッドランプをしまってヘルメットをかぶり、3大キレットの一つである不帰へ向かいました。

夜間行動に不安を覚える方もいらっしゃると思いますが、頼れるヘッドランプがあれば極端に恐れることはありません。むしろ太陽に体力を奪われることがないので、涼しく快適に走れますし、徐々に空が明るくなる中で山を歩くのは気持ちがいいものですよ。

 

八峰キレット周辺で少し濃いガスに包まれて不安になりましたが、軽い霧雨程度で岩場の通過には問題ありませんでした(むしろ涼しくて快適?)

冷池に到着して安心し、多めに持ってきた行動食を盛大に食べて満腹で眠りにつきました。

 

3日目

5:00 冷池山荘 出発

7:00 爺が岳南峰 頂上

7:20 種池山荘

8:30 扇沢 到着(登山終了)

 

2日目に冷池まで到達できたので、この日はもうイージーモード通り越してウイニングラン。温泉気分です。

ダラダラ起きて、風の向くまま気の向くままに、走ったり走らなかったりして下山しました。

 

 

標準コースタイムを基に計算すると、本来上記のコースに挑むには5泊6日程度の日程が必要となります。

しかし今回用意できた休みは3日。まともに歩いては到底不可能です。

 

更に、いくら体力があっても荷物が重くてはスピードが出せません。そこで今回は軽量化のため、テントは一人用シングルウォール、寝袋は極薄の化繊、お湯を沸かす道具は持たず、乾きものだけで朝晩の食事も含めたエネルギー補給を賄うことにしました。結果、ヘルメットやクローズドセルタイプのマットは外付けしていますが、それ以外の荷物は20Lのトレイルランニング用ベストに収納することができました。

 

生きるために必要最低限度の装備しか持っていないため、それによって生じるリスクはあります。

しかしそれを承知の上で安全対策(万が一のためにエスケープルートを頭に叩き込んでいく、など)をしていれば、山での可能性は無限大です。

 

富山店 武田

 


オススメ商品

 

oxtos(オクトス) ULシングルウォールテント1人用

今回使用したテントです。一人用で1kgを切るため、軽量化に大いに貢献してくれました。

 

Black Diamond(ブラックダイヤモンド) ベクター

頭が大きめの方でもかぶりやすく、軽量なヘルメットです。

後頭部にベンチレーションが大きく開いているため、通気性にも優れています。

 

THERMAREST(サーマレスト) Zライト ソル

定番のクローズドセルマットレスです。寝心地重視ならレギュラー(183cm)、コンパクトにまとめたいならスモール(130cm)がオススメ。スモールを自分で切断してさらに短くし、切り離した部分を座布団として利用する、という賢い使い方もできます。

オクトス各店やオンラインショップから購入いただくと、レギュラー・スモールともにオクトスオリジナルのスタッフサックがついてきます。それぞれのマットの寸法に合わせた便利な収納袋ですので、ぜひご利用ください!